因数分解のポイント
次の順序で考えると良いでしょう.慣れることも必要です.
- 共通因数でくくる
- 低次の項で整理する
- 公式の利用(公式が利用できるように式を誘導する)
- 置き換え,組み合わせを考える
- \(a^2 -b^2\)の形へ持ち込む
- 因数定理の利用
改訂 問題9 旧版の問題8と同じ,使われている文字が違うだけ
(1) \(a\)が共通因数なので,\(a\)で括りましょう.
$$与式=a(4a^2-9b^2)$$
式を眺めると \(x^2-y^2\)の公式に持ち込めることがわかります.
$$=a\{(2a)^2-(3b)^2\}$$
$$=a(2a-3b)(2a+3b)$$
(2) 式中の全ての文字が一次なので,どれか一つに着目して整理します.
\(b\)について整理すると
$$与式=(a-1)b – ac + c$$
3番目と4番目の項を\(c\)でくくると\((a-1)\)が現れることに気がつくと思います.
$$与式=(a-1)b – ac + c=(a-1)b-(a-1)c$$
今度は\((a-1)\)が共通因数です.
$$与式=(a-1)b – ac + c=(a-1)b-(a-1)c=(a-1)(b-c)$$
これが求める答えです.
(3)式を眺めて,\(8=2^3\),\(27=3^3\)に気づいてください.覚えておきましょう.
$$与式=(2a)^3+(3)^3$$
となり,公式を適用することができるようになります.
$$与式=(2a)^3+(3)^3=(2a+3)\{(2a)^2+2a\times 3 +3^3\}=(2a+3)(4a^2-6a+9)$$
(4)最初の3つの項が因数分解できて\((x+y)^2\)となり,\(a^2-b^2\)の形になることを見通してください.
$$与式=(x^2+2xy+y^2)- z^2=(x+y)^2-z^2$$
$$=\{(x+y)+z\}\{(x+y)-z\}=(x+y+z)(x+y-z)$$
改訂 問題10 \(x^2+(\alpha+\beta)x+\alpha\beta\)の使い方
(1)掛けて\(6\),足して\(-5\)になる組み合わせを探す.
\(-3\)と\(-2\)が見つかる.というかすぐに浮かぶように練習しておきましょう.
よって
$$与式=(x-2)(x-3)$$
(2)掛けて\(-30\),足して\(-7\)になる組み合わせを探す.
\(-10\)と\(+3\)を思いつきますね.よって
$$与式=(x-10)(x+3)$$
改訂 問題11 たすきがけの問題
たすきがけの説明は旧版の問題10のところに説明を少ししておきました.スクロールして読んでください.たすきがけの説明は黒板に書きながら説明するのが,説明しやすいので,代わりに動画にリンクを貼っておきます.12分程度です.

日本のやり方とはちょっと違いますが,面白いですよ.
(1)2次の項の係数は\(6\)なので\(1と6\),\(2と3\),定数項は\(5\)なので\(1と5\)ですね.そうすると\(3\times 5=15\)と\(1\times 2=2\)で\(15+2=17\)になる組み合わせがわかります.
よって
$$与式=(3x+1)(2x+5)$$
(2)2次の項の係数は\(3\)なので\(1と3\),定数項は\(4\)なので\(1と4\),\(2と2\)ですね.そうすると\(3\times 2=6\)と\(1\times 2=2\)で\(6-2=4\)になる組み合わせがわかります.
よって
$$与式=(3x-2)(x+2)$$
改訂 問題12 これは計算の工夫が問われている問題です.
因数分解のポイントの『置き換え,組み合わせを考える』です.
(1)計算の工夫,例えば\(x^2=X\)とおくと,
$$与式=X^2-4^2=(X+4)(X-4)$$
\(X\)を元に戻すと
$$=(x^2+4)(x^2-4)$$
\(x^2-4\)はさらに因数分解できますね.
よって,求める解は
$$x^4-16=(x^2+4)(x^2-4)=(x^2+4)(x+2)(x-2)$$
(2)\(x-y\)を\(X\)とおいてみましょう.
$$与式=X^2 + 2X -15$$
\(X\)に着目して因数分解は簡単にできますよね.\(3と5\)です.そうすると
$$与式=X^2 + 2X -15=(X+5)(X-3)$$
\(X\)を元に戻して
$$与式=\{(x-y)+5\}\{(x-y)-3\}=(x-y+5)(x-y-3)$$
(3)2つの方法が浮かびます.
(解1) 直感的な方法は第1項,第2項と第3項で\((x+y)^2\)が,第4項と第5項で\(-3(x+y)\)となることが見えます.そこで\((x+y)\)をひとかたまりで考えて因数分解する方法が見えますね.
$$与式=(x+y)^2-3(x+y)+2=\{(x+y)-2\}\{(x+y)-1\}=(x+y-2)(x+y-1)$$
(解2) 因数分解のポイントに掲げた方法にしたがって,まず\(x\)について整理する.
与式は \(x^2 + (2y-3)x + y^2 – 3y + 2\) となります. ここからは
$$与式=x^2 + (2y-3)x + y^2 – 3y + 2=x^2 + (2y-3)x +(y-2)(y-1)$$
$$=\{x+(y-2)\}\{x+(y-1)\}=(x+y-2)(x+y-1)$$
(5)
(その1)$$与式=2x^2+(5y-3)x+3y^2-5y-2=2x^2+(5y-3)x+(3y+1)(y-2)$$
\(2と1\),\((3y+1)と(y-2)\)の組み合わせで\((5y-3)\)を作り出せば良い.
$$=2x^2+(5y-3)x+(3y+1)(y-2)=\{2x+(□)\}\{x+(○)\}$$
ここで,□と○に入るのは\((3y+1)と(y-2)\)のそれぞれですから,頭をひねって
$$与式=2x^2+(5y-3)x+(3y+1)(y-2)=\{2x+(3y+1)\}\{x+(y-2)\}$$
$$与式=(2x+3y+1)(x+y-2)$$
(その2)前問にならって最初の3項を因数分解してみる.
$$与式=(2x+3y)(x+y)-(3x+5y)-2$$
これからいろいろとトライしてみましたが,挫折しました.どなたか,お分かりの方がいらっしゃいましたら,ご教示頂けると喜びます.roz
(その3)\(y\)について整理してみます.
$$与式=3y^2+(5x-5)y+2x^2-3x-2=3y^2+(5x-5)y+(2x+1)(x-2)$$
\(3と1\),\((2x+1)と(x-2)\)の組み合わせで\((5x-5)\)を作り出せば良いことがわかります.\(5x\)は\(3x+2x\)とするか\(6x-x\)で考えました.これは\(3と1\)があるからですね.
よって
$$3y^2+(5x-5)y+(2x+1)(x-2)=\{3y+(2x+1)\}\{y+(x-2)\}$$
$$=(3y+2x+1)(y+x-2)=(2x+3y+1)(x+y-2)$$
以下は旧版の問題解説です.
問題8 共通因数,低次の項,公式の利用
(1) 共通因数でくくる.
共通因数として\(x^2\)があるのででくくると
$$4x^3 – 9x^2y = x^2(4x – 9y)$$ となる.
(2) 低次の項で整理する.
\(a\)で整理すると\((b-c)a-b+c\),
次に\(b-c\)を括弧で閉じると\((b-c)a-(b-c)\)となる.
共通因数\((b-c)\)でくくる
答えは\((b-c)(a-1)\)
(3) 公式に持ち込む.
\(8 = 2^3,27=3^3\)なので,
与式は \(2^3x^3 + 3^3 = (2x)^3 +(3)^3\) となり\(a^3+b^3=(a+b)(a^2-ab+b^2)\)が使える.
よって,$$8x^3+27=(2x)^3+(3)^3=(2x+3)(4x^2-6x+9)$$
(4) \(x\)で見やすいように整理してみる.
\(x^2 + 2yx + y^2-z^2\) となり,\(y^2-z^2=(y+z)(y-z)\)だから
与式は\(x^2+2yx+(y+z)(y-z)\)となり,公式の定数項に相当する部分は\(y+z+y-z=2y\)だから
与式は \((x+(y+z))(x+(y-z))= (x+y+z)(x+y-z)\) と因数分解できる.
問題9 公式 \(x^2+(a+b)x+ab = (x+a)(x+b)\)の活用
(1) 与式は\(x^2 +(3+2)x+3\times 2\)と見なせるから,
与式\(=(x+3)(x+2)\)と因数分解できる.
(2) 与式は\(x^2 +(-10+2)x+(-10)\times (+)2\)と見なせるから,
与式\(=(x-10)(x+2)\)と因数分解できる.
問題10 たすきがけ
\(acx^2 + (ad+bc)x+bd = (ax+b)(cx+d)\)に必要な「たすきがけ」
たすきがけは,2次の項の係数と定数項に着目することが重要ポイントである.例えば,\(12x^2 + 5x – 2\)の場合,2次の項の係数は12なので \(1\times 12, 2\times 6, 3\times 4\) の3つ,定数項は \(1\times 2\)の一つである.でそれぞれの組み合わせを考えれば良い.
(1) 2次の項より\(1\)と\(3\),定数項より \(5\)と\(3\)で考えれば良いことがわかる.正負を適切に考えて\(+4\)となるような組み合わせを探しだします.
そうすると\(3\)と\(1\),\(-5\)と\(3\)を見つけることができる.
よって,与式\(=(3x-5)(x+3)\) となる
(2) \(x\)について見ていくと,2次の係数は\(12\), 1次の係数は\(5y\),定数項は\(-2y^2\)である.そうすると\(3\)と\(4\),\(2y\)と\(-y\)が見つかる.
よって,与式\(=(3x+2y)(4x-y)\) と因数分解できる.
問題11.\(a^2-b^2\)の形,置き換え,たすき掛けの応用
(1) \(16x^4\)は\((4x^2)^2\)すると,\(a^2-b^2\)の形に誘導できる.
よって,与式\(=(4x^2)^2-(1)^2\)なり,
$$(4x^2)^2 – (1)^2 = (4x^2+1)(4x^2-1)$$
\(4x^2 – 1\)は更に因数分解できる.
$$(4x^2+1)(4x^2-1)=(4x^2 + 1)(2x + 1)(2x – 1)$$
(2) \(x-y=t\)とおいてみよう.
与式\(t^2 – 3t -10\)となり,これは公式を利用して\((t-5)(t+2)\)と因数分解できる.tを元に戻すと
与式\(= (x-y-5)(x-y+2)\)
(3) \(x\)も\(y\)もともに2次であるので\(x\)に着目して整理する.
与式\(=x^2 +(2y + 3)x + y^2 + 3y +2\)
問題 19 式を眺めると因数定理をつかって,,.
(1) \(f(x) = x^3 -7x -6\)とする.
$$ f(-1) =(- 1)^3 -7\times (-1) -6 = -1+7-6 =0$$
なので\(f(x)\)は\((x+1)\)を因数に持つことがわかる.つまり,\(x-1\) で割り切れる.よって,\(f(x)=(x+1)Q(x)\)と書ける.\(Q(x)\)は\(f(x)\)を\((x+1)\)で割ったときの商である.多項式の割り算(高次多項式を1次式で割り算する時)は組み立て除法を使うと便利です.
$$f(x) = (x+1)(x^2-x-6)$$
\((x^2-x-6)\)は更に\((X-3)(X+2)\)と因数分解できる.よって求める解は
$$x^3-7x-6=(x+1)(x-3)(x+2)$$
(2) 与式を\(f(x)=2x^3+x^2-8x-4\)とおく.
$$f(2)=2\times (2)^3 + (2)^2 – 8\times 2 – 4=0$$
なので,\(f(x)\)は\((x-2)\)を因数にもつので,\(f(x)\)を\((x-2)\)で割ると商\((2x^2+5x+2)\)が求まる.
$$f(x) = (x-2)(2x^2+5x+2)$$
(3) 与式\(f(x)=10x^3-13x^2-15x+18\)とおく.
$$(f(1) = 10\times (1)^3 – 13\times (1)^2 -15\times (1) +18 = 0$$
なので,\(f(x)\)を\((x-1)\)で割る.商は\((10x^2 – 3x -18))\) よって
$$f(x) = (x-1)(10x^2 – 3x -18)$$
\((10x^2 – 3x -18)\)は更に\((5x+6)(2x-3)\)と因数分解できてるので
求める解答は
$$ 10x^3-13x^2-15x+18 = (x-1)(5x+6)(2x-3)$$
である.
(4) 与式を\(f(x) = x^4 – 4x^3 + 10x^2 -17x + 10\)とおく.
$$f(1) = (1)^4 – 4\times (1)^3 + 10\times (1)^2 – 17 \times (1) + 10 = 0$$
なので,\((x-1)\)を因数に持つことがわかる.
よって,\(f(x)\)を\((x-1)\)で割ると,商は\(Q(x)=x^3 -3x^2+7x-10\)と求まるので,$$f(x) = (x-1)(x^3-3x^2+7x-10)$$
$$Q(2) = 2^3 -3\times (2)^2+7\times 2 – 10 = 0$$
より,\(Q(x) = (x-2)(x^2 – x + 5)\)なので
$$x^4-4x^2+10x^2-17x+10 = (x-1)(x-2)(x^2-x+5)$$
問題 22 ヒントを書いておきます
(1) \(3\)と\(9\)
(2) \(a\)は1次,\(b\)は2次なので\(a\)で整理する
(3) 共通因数\(3y\)でくくる
(4) \(8=2^3\)なので\(X^3-Y^3\)と考えられるので公式が適用可能
(5) \(a\)も\(b\)は2次なので\(a\)に着目して考える.たすき掛けは\(3\) と\(7\)の組み合わせ
(6) \(x\)も\(y\)は2次なので\(x\)に着目して考える.たすき掛けは\(4\) と\(3\)の組み合わせ
練習問題 次の式を因数分解しなさい
| (1) | \(x^2 + 3xy + 2y^2 + 4x + 7y + 3\) | (専修大学2011) |
| (2) | \(6x^2 + 5xy + y^2 + 2x – y -20\) | (2009年センター試験 数I Aより) |
| (3) | \(x^2 + (20 – a^2)x – 20a^2 \) | (2016年センター試験 数I Aより) |
| (4) | \(2x^2 + 5xy + 3y^2 – 3x – 5y -2\) | (2010 京都産業大学) |
| (5) | \((a + b)x^2 -2ax + a – b\) | (2006 北海学園大学) |
| (6) | \(x(y^2 – z^2) + y(z^2 – x^2) + z(x^2 – y^2)\) | (2001鹿児島経済大学) |
| (7) | \((x +1)(x + 2)(x + 3)(x + 4) -3\) | (1996 九州東海大学) |
| (8) | \(x^4 + 4\) | (2006 中京大学) |
| (9) | \(x^4 + 5x^2 + 9\) | (2003 静岡理工科大学) |
| (10) | \((x-1)(x-3)(x+5)(x+7) – 960\) | (慶応高校2019) |
| (11) | \(3a^2 + 20ab – 7b^2\) |

