第2章第一節方程式のStep Up問題の解説を行います.
『解と係数』の関係で重要な対称式はについては次のリンクをご覧ください.(対称式)
問題97
(1)
\(\displaystyle{\frac{x}{2}=\frac{y}{3}=\frac{z}{4}} \cdots\cdots ①\)
\(x^2 + y -3z + 2 = 0 \cdots\cdots ②\)
比例式\(=k\)とするのは定跡ですよ.
\(\displaystyle{\frac{x}{2}=\frac{y}{3}=\frac{z}{4}=k}\)とおくと
\(x=2k,y=3k,z=4k \cdots\cdots ③\)となる.これを②式へ代入すると
\((2k)^2 + (3k) – 3(4k) + 2=0\)
これを\(k\)について解く
\(4k^2 – 9k + 2=0\)
\((4k-1)(k-2)=0 よって,k=\displaystyle\frac{1}{4} または k=2\)
これを③へ代入して
\(x=\displaystyle\frac{1}{2},y=\displaystyle\frac{3}{4},z=1\) または\(x=4,y=6,z=8\)
(2)
\(x^2+y^2=16 \cdots\cdots ①\)
\(y=x^2 – 4 \cdots\cdots ②\)
②を①式へ代入する.
\(x^2 + (x^2 – 4)^2 = 16\)
\(x^4 – 7x^2 + 16 = 16\)
\(x^4 – 7x^2=0\)
\(x^2(x^2 – 7)=0\)
よって,\(x=0またはx=\pm\sqrt 7\)
\(x=0のときy=-4\),\(x=\pm\sqrt 7のとき②によりy=3\)
問題98
(1)\(x^4 – 6x^2 +1=0\)
\(x^2=X\)とおく
\(X^2 – 6X + 1=0\)
\(X=\displaystyle\frac{6\pm\sqrt{36-4}}{2}=\displaystyle{\frac{6\pm\sqrt{32}}{2}}=\displaystyle{\frac{6\pm4\sqrt{2}}{2}}=3\pm2\sqrt 2\)
よって,\(x^2=3\pm2\sqrt 2\)
(a) \(x^2=3+2\sqrt 2\) のとき
\(x=\pm\sqrt{3+2\sqrt 2}=\pm\sqrt{(\sqrt 2 + 1)^2}\)
\(x=\pm\sqrt{3\pm2\sqrt 2}=\pm\sqrt{(\sqrt 2\pm1)^2}=\pm(\sqrt 2 +1)\)
よって, \(x=+1+\sqrt 2\) または \(x=-1-\sqrt 2\)
(b) \(x^2=3-2\sqrt 2\) のとき
\(x=\pm\sqrt{3-2\sqrt 2}=\pm\sqrt{(\sqrt 2 – 1)^2}=\pm(\sqrt 2 – 1)\)
よって, \(x=-1+\sqrt 2\) または \(x=+1-\sqrt 2\)
(a)と(b)の結果をまとめて
\(x=+1\pm\sqrt 2\),\(x=-1\pm\sqrt 2\)
(4)\(x^4+x^2+1=0\)
[アプローチ1]
\(X=x^2\)とおくと
\(X^2+X+1=0\) を解けば良い.因数分解できないので解の公式を使って
\(X=\displaystyle\frac{-1\pm\sqrt{1-4}}{2} よってX=\displaystyle{\frac{-1+\sqrt 3 i}{2}}またはX=\displaystyle{\frac{-1-\sqrt 3 i}{2}}\)
\(X\) をもとにもどして
\(x^2=\displaystyle{\frac{-1+\sqrt 3 i}{2}},x^2=\displaystyle{\frac{-1-\sqrt 3 i}{2}}\)
(a) \(x^2=\displaystyle{\frac{-1+\sqrt 3 i}{2}}\)のとき
\(x=\pm\displaystyle{\sqrt{\frac{-1+\sqrt 3 i}{2}}}\)
よって\(x=\displaystyle{\frac{-1+\sqrt 3 i}{2}} または x=\displaystyle{\frac{1-\sqrt 3 i}{2}}\)
(b) \(x^2=\displaystyle{\frac{-1-\sqrt 3 i}{2}}\)のとき
二重根号になっている,根号の中が複素数になっている,などの理由から方針変更しましょう.
[アプローチ2]
$$x^4+x^2+1=0$$
$$x^4 + 2x^2 + 1 -x^2=0$$
$$(x^2+1)^2 -x^2$$
$$(x^2+x+1)(x^2-x+1=0)$$
\(x^2+x+1=0 または x^2-x+1=0\)
解の公式を使って,2つの2次方程式を解くと
\(x=\displaystyle{\frac{-1\pm\sqrt 3 i}{2}}\) または \(x=\displaystyle{\frac{+1\pm\sqrt 3 i}{2}}\)
\(x^3=-1\) は1の3乗根として有名な問題です.
\(x^3+1=0\) として因数分解する.
\((x+1)(x^2-x+1)=0\)
より,\(x=-1\) または \(x^2-x+1=0\) 解の公式を用いて\(x=\displaystyle{\frac{1\pm\sqrt 3 i}{2}}\)
これをヒントに次の問題にチャレンジしてみて下さい.
チャレンジ問題 「1の3乗根」については数学こぼれ話に記事を書いておきます.
\(x^3 = 1\)の虚数解は \(x=\displaystyle{\frac{-1\pm\sqrt{3}i}{2}}\) である.いずれか一方を\(\omega\) として,次の値を求めなさい.
(ィ) \(\omega^2\)
(ロ) \(\omega^2 + \omega + 1\)
(ハ) \(\omega^{100} + \omega^{99} + \omega^{98}\)
(二) \(\omega^{10} + \omega^5\)
問題99 分数方程式
これは分数方程式の問題ですね.方針1:分母を1にして,分数式でなくする.方針2:両辺をそれぞれ通分して\(\displaystyle{\frac{B}{A}=\frac{D}{C}} \Leftrightarrow AD=BC\)を利用する.結局は分数式をなくしていることになります.
(1)
全ての項の分母を因数分解して見通しよくする.
第1項 \(x^2-3x=x(x-3)\)
第2項 \(x^2+x=x(x+1)\)
第3項 \(x^2-2x-3=(x-3)(x+1)\)
第4項 \((x+1)\) 因数分解は不要
与式の両辺に\(x(x+1)(x-3)\)を掛ける
\({3(x+1)}-(x+2)(x-3)-x(17x+1)=3x^2(x-3)\)
展開する.\(3x+3-(x^2-x-6)-(17x^2+x)=3x^3-9x^2\)
左辺に移行して整理すると
\(3x^3 +9x^2 – 3x – 9=0\)
\(x^3+3x^2-x-3=0\)
\(f(x)=x^3 +3x^2 – x – 3\)とおく.\(f(-3)=-27+27+3-3=0\)よって \(f(x)は (x+3)\)を因数に持つ.
\(f(x)=(x+3)(x^2-1)=(x+3)(x+1)(x-1)\)
よって,\(x=-3,-1,1\) が求まる.
また,分母\(\ne 0\) より,\(x\ne 0,x\ne -1,x\ne 3\)
よって,求める解は\(x=-3,1\) である.
(2)
\(\sqrt{3x-5}+10=2x\)
\(\sqrt{3x-5}=2x-10 \cdots\cdots ①\)
両辺を2乗して,\(3x-5=(2x-10)^2\)
\(3x-5=4x^2-40x+100 \Leftrightarrow 4x^2-43x+105=0\)
因数分解して\((4x-15)(x-7)=0\)
これより,\(x=\displaystyle{\frac{15}{4}},x=7\)
これらを②式に代入して調べる.
(A) \(x=\displaystyle{\frac{15}{4}}\)の場合
②式の左辺 \(\sqrt{3\times \displaystyle\frac{15}{4}-5}=\displaystyle{\sqrt{\frac{45}{4}-5}}=\displaystyle{\sqrt{\frac{25}{4}}}=\frac{5}{2}\)
②式の右辺 \(2\displaystyle{\frac{15}{4}-10}=\displaystyle\frac{15}{2}-10=-\frac{5}{2}\)
左辺\(\ne\)右辺なので\(x=\frac{15}{4}\)は解ではない.
(B) \(x=7\)の場合
②式の左辺 \(\sqrt{3\times 7-5}=\sqrt{16}=4\)
②式の右辺 \(2\times7-10=4\)
左辺\(=\)右辺なので\(x=7\)は解である.
(注意)両辺を平方したことことに起因している.つまり,(\sqrt{3x-5}=2x-10 と-\sqrt{3x-5}=2x-10\)の場合がある.別な視点からの説明としては,①式において根号には正負の記号がついていない,ということは正を意味している.つまり\(\sqrt{3x-5}=2x-10\ge 0\) これを解の判定条件に利用できる.
\(x=\displaystyle{\frac{15}{4}}\)を\(2x-10\) に代入して調べると\(\displaystyle{2\frac{15}{4} – 10}=\displaystyle{\frac{15}{2}}-10<0\)なので解の条件を満たしていないことがわかる.
(3)
\(\sqrt{x-1}+2=\sqrt{2x+5}\) を解く.これより\(x\ge 1,x\ge -\displaystyle\frac{5}{2}\) 両方を満たすためには
\(x \ge 1 \cdots\cdots ①\)
である.
両辺を2乗する. 平方根を2乗するときは\(-\sqrt{2x+5}\)の場合もあることに注意.
\(x-1+4\sqrt{x-1}+4=2x+5\)
整理して
\(x+2=4\sqrt{x-1}\)
もう一度,両辺を2乗する.平方根の2乗には注意する.
\(x^2+4x+4=16(x-1)\)
\(x^2-12x+20=0\)
\((x-2)(x-10)=0\) よって\(x=2,10\) ともに条件①を満たしている.また,\(\sqrt{x-1}+2=\sqrt{2x+5}\) も満たしている.
問題100
静水での船の速度を\(x[km/h]>3\)とすると,
下りに要する時間は\(\displaystyle\frac{60}{x+3}\)
上りに要する時間は\(\displaystyle{\frac{60}{x-3}}\)
上りは下りよりも5時間多く要しているので
\(\displaystyle\frac{60}{x+3}+5=\displaystyle{\frac{60}{x-3}}\)
両辺に\((x+3)(x-3)\) を掛ける.
\(5(x+3)(x-3)+60(x-3)=60(x+3)\)
展開して整理すると
\(x^2-81=0\)
\((x-9)(x+9)=0\)
\(x>3\)より求める船の速度は\(9[km/h]\)
問題101
比例式を\(k\)とおく.これは定跡ですね. 証明すべき式より\(x,y,z\)が消えて\(a,b,c\)だけの式になる.また,\(a,b,c\)の循環系になりそうという見通しが得られる.
\(\displaystyle{\frac{x}{b-c}=\frac{y}{c-a}=\frac{z}{a-b}=k}\)とおくと
\(x=(b-c)k,y=(c-a)k,z=(a-b)k\)
左辺に代入する
左辺\(=(b+c)(b-c)k+(c+a)(c-a)k+(a+b)(a-b)k\)
\(=k\times (b^2-c^2 + c^2-a^2 + a^2 – b^2)\)
\(=k\times (0)\)
\(=0\)
∴左辺\(=\)右辺
問題102
解が\(-1,2\)なので,これらの値は方程式を満足するので,代入する.
\((-1)^4 -4a(-1)^3 +b(-1)+a(-1)-24=0\)
\(3a+b-23=0 \cdots\cdots ①\)
\(2^4-4a2^3+b2^2+2a-24=0\)
\(-15a+2b+-4=0 \cdots\cdots ②\)
①より\(b=23-3a \cdots\cdots ③\)
③を②へ代入する
\(-15a+2(23-3a)-4=0\)
これより \(a=2\)
③に代入して \(b=23-6=17\)
\(a=2,b=17\)の値を元の式に代入して整理すると
\(x^4-8x^3+17x^2+2x-24=0\)を得る.これが\(x=-11\)と\(x=2\)という解を持つことから\(x^2-x-2\)で割り切れる.割り算を行うと
商 \(x^2-7x+12\)を得る.これを因数分解して\((x-3)(x-4)\)
よってもとの方程式は
\((x+1)(x-2)(x-3)(x-4)=0\) となり,残る2つの解は
\(x=3,x=4\) である.
問題103
(アプローチ1)
題意より
\(x^3+2x^2+ax+b=(x^2-2x+1)Q(x) + ax+b,ax+b=0\)
割り算を行って,
与式\(=(x^2-2x+1)(x+4)+(a+7)x+b-4\)となる.
ここで,余りは\((a+7)x+b=0\)となり,これは恒等式なので,\((a+7)=0,b-4=0\)が成立する.
∴\(a=-7,b=4\)
(アプローチ2)
題意より
\(x^3+2x^2+ax+b=(x-1)^2Q(x) \cdots\cdots ①\)
\(x^3+2x^2+ax+b=x^2Q(x)-2xQ(x)+Q(x)\)
両辺を\(x\)で微分して整理すると
\(3x^2+4x+a=(x-1)^2Q(x)\)
\(x=1\)を代入して
\(3+4+a=0\)
\(a=-7\)
①式に(\x=1\)を代入して
\(1+2+a+b=0\) これに\(a=-7\)を代入して\(b=4\)
よって求める解は\(a=-7,b=4\)
問題104
別記事の1の3乗根 を先の読んで下さい.
(1)\(\omega^12\)
与式\(=(\omega^3)^4=1\)
(2)\(\omega^8+\omega^4\)
与式\(=(\omega^3\times \omega^3\times \omega^2)+\omega^3\times \omega=\omega^2+\omega=-1\)

