剰余の定理と因数定理

数学1年

「大日本図書 新基礎数学 問題集」を使って剰余の定理と因数定理を解説していきます.問題番号は同署の番号と同じです. 

簡単な解説

整式\(P(x)\)を整式\(A(x)\)で割ったときの商を\(Q(x)\),余りを\(R(x)\)とすると$$P(x) = A(x)Q(x) + R(x)$$ と記述できる.ただし,\(R(x)=0\) または\(R(x)\)は\(A(x)\)より次数の低い整式である.

いま,\(A(x)\)が一次式\(A(x)=x-\alpha\)とすると,\(P(x)=(x-\alpha)Q(x)+R\)と表すことができる.\(R(x)\)は\(A(x)\)より次数が低いので定数項となり変数\(x\)は含まれない.

\(x=\alpha\)のときの\(P(x)\)の値は

$$P(\alpha)=(\alpha-\alpha)Q(x) +R$$

$$P(\alpha)=R$$

となる.よって,\(P(x)\)を一次式 \(x-\alpha\)で割ったときの余りは\(P(\alpha)\)を計算することで求めることができる.これを剰余の定理と言う.

\(P(\alpha)=0\)のときは\(P(x)=(x-\alpha)Q(x)\)と表すことができ,\(P(x)\)は \(x-\alpha\) を因数に持つといえる.これを因数定理という.

問題の解説に移ります.

問題 13

ある整式を\(P(x)\)とすると,問題文より\(A(x)=2x-1\),\(Q(x)=3x^2+1\),\(R(x)=-5\) なので,つぎのように表すことができる.

$$P(x)=(2x-1)(3x^2+1)-5$$

展開して整理すると

$$P(x)=6x^3 – 3x^2 + 2x – 6$$

求めた解答が正しいかどうか確認をしたい,\(2x-1\)で割り算したときの余りを求めるには\(P(x)\) の \(x\) に何を代入して余りを求めれば良いでしょうか.

問題15 

1.\(P(1)\)

\(P(1)=(1)^3-(1)^2-5\times (1) +2\)

\(=-3\)

2. \(P(-2)\)

\(=(-2)^3-(-2)^2 -5\times (-2) +2\)

\(= – 8 – 4 +10 +2 = 0\)

3.\(Q(-1)\)

\(=4\times (-1)^3 + 6(-1)^2 -2\times (-1) + 1\)

\(=-4 +6+2+1\)

\(=+5\)

4.\(Q(\displaystyle{\frac{1}{2}})\)

\(=4\times(\frac{1}{2})^3 + 6\times (\frac{1}{2})^2 -2\times (\frac{1}{2}) +1\)

\(=4\times \frac{1}{8} +6\times \frac{1}{4} -1+1\)

\(=\frac{1}{2} + \frac{3}{2} \)

\(=\frac{4}{2} = 2\)

問題17 

\(P(-1)\),\(P(-2)\),\P(-3)\)を計算してゼロになるものを探せばよい.

\(P(-1) =( -1)^3+2\times (-1)^2 – 5\times (-1) – 6 = 5\)

\(P(-2) = (-2)^3 +2\times (-2)^2 -5\times (-2) – 6 = 4\)

\(P(-3) = (-3)^3 +2\times (-3)^2 -5\times (-3) -6 \)

\( = -27 + 18 + 15 -6 = 0\)

よって,\(P(x)\)は\((x+3)\)で割り切れる.

問題18

与式を\(P(x) = 2x^3-5x^2-x-k\)とする.題意より\(P(3)=0\)であるので

\(P(3)= 2(3)^3 -5\times (3)^2 -(3) -k \) となり

\(2\times 27 – 5\times 9 – 3 -k =0\)を解けばよいことになる.

\(54 – 45 -3 -k = 0\)

\(6 – k =0\)

∴\( k=6\)

問題23

求める整式を\(P(x)\)とすると,題意より

$$P(x) = (x^2+2)(3x+1)+2x+1$$

これを展開して整理すると,

\(P(x)= 3x^3 + x^2 +6x+2+2x+1\)

\(=3x^3+x^2+8x+3\)

問題 25

(1) 題意より\(P(x) = x^3+10x^2 -ax +6\) とすると,\(P(-1)=7\)なので

\((-1)^3+10\times (-1)^2 -a\times (-1) +6 = 7\) となり,これを計算して

\(-1+10+a+6=7\)

\(a+15=7\)

∴\(a=-8\)

(2) \(P(x)=x^3+ax^2-4x+6\)とする

題意より \(P(2)=P(3)\)

\(2^3+a\times 2^2-4\times 2 +6 = 3^3 +a\times 3^2 -4\times 3 +6\)

\(8+4a-8+6=27+9a-12+6\)

\(-5a = 15\)

∴\(a=-3\)

練習問題 

練習問題1 

\(F_1(x)\)と\(F_2(x)\)を\((x-1)^2\)で割ったときの余りがそれぞれ\((x+1)\)と\((2x+3)\)であった.

(1) \(F_1(x) + F_2(x)\) を\((x-1)^2\)で割ったときの余りを求めよ.

(2) \(F_1(x)F_2(x)\)を\((x-1)^2\)で割ったときの余りを求めよ.

                                                                                  (類 東北学院大)

練習問題2 剰余の定理応用編

整式\(P(x)\) を\(x-1\)で割ったときの余りが\(5\),\((x+1)^2\) で割ったときの余りが\(x-8\)であった.\(P(x)\)を\((x-1)(x+1)^2\)で割ったときの余りを求めよ.

                       (千葉工大)